字を書くのが嫌いな子供って、結構な数いるのではなかろうか。
そういう子は授業自体が嫌いになって、学力があまり伸びない可能性がある。
そして、そういう子は、もしかしたらタイピングを覚えれば、一気に学力が上がるかもしれない。
極論だけど、俺の場合はそうだった。
俺は子供の頃から、字を書くのが大嫌いだった。
頭の中には文章が山ほどあって、けどそれを手で書くのは時間がかかる。
それがもどかしくて、とにかく速く、速く書こうとした。
間違えたら消しゴムで何度も消して、どんどん紙が汚くなっていって。
なんて、非効率なんだろうと、ノートを書くのがさらに嫌いになっていった。
作文なんて、鳥肌が立つほど毛嫌いしていた。
結果として、ノートはいつもぐっちゃぐちゃだったし、授業自体も好きじゃなかった。
だからだったのか、俺は中学生になり、タイピングにはまった。
思ったことを、思ったスピードで文字にできる。
こんな素晴らしいデバイスがあったのかと、ひたすらタイピングのスピードを上げることに従事した。
でも、塾でも学校でもパソコンでノートをとることは許されなかった。
というか、パソコンを学校に持っていくことすら許されない。
勉強は嫌いなままだった。
それは、大学生になっても続いた。
俺が大学生のときはまだ、パソコンで授業を受けるのは「キモオタ」「タイピング音がうるさい」と揶揄の対象だった。
周りを気にしないほど強くなかった俺は、いやいやながら手でノートをとっていた。
社会人になり、システムエンジニアになると、字を書くことが極端に減った。
仕事はすべてタイピングだ。
資格勉強も自分が好きなやり方で、好きなようにできる。
資格の参考書を読み、パソコンで要点をまとめ、あとで要点を読み返す。
初めて勉強は楽しいことだと気がついた。
あれだけ作文が嫌いだったのに、ブログを書くようにもなった。
もともと、知識をインプットすることも、文章をアウトプットすることも好きだったのだ。
ただ、手で書くことがめちゃくちゃ嫌いだった。
本当に、ただそれだけだったんだと気がついてしまった。
「字を手で書くことに意味がある」と主張する人も中にはいる。
俺に言わせれば、手で書くこと自体はまったく重要じゃない。
要点をまとめ、文章を構築し、アウトプットするということが重要なのであって、手で書くか、タイピングで書くかは、さして重要ではない。
それよりも、嫌いな方法で勉強させ続けることのほうが、ずっと大きな問題。
そんで、今は、タブレットを授業で導入するのが、当たり前になってきているらしい。
いい時代に少しずつなってきている。
手で書くか、タイピングで書くか、はたまた音声入力か。
ノートの取り方を生徒が自由に選べる時代になればいいなー。
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